●大船調怪獣映画?

 1967年といえば昭和42年。東宝は「怪獣島の決戦ゴジラの息子」「キングコングの逆襲」、大映は「ガメラ対ギャオス」、テレビでは「ウルトラマン」「ウルトラセブン」が大人気の一大怪獣ブームでした。その中にあって、少しで遅れ気味ながら怪獣映画界に大手映画会社の日活と松竹が参入、同じ年にそれぞれ1本づつ怪獣映画を公開しました。前者は「大巨獣ガッパ」後者が「宇宙大怪獣ギララ」です。ガッパが南洋の原始怪獣であるのに対し、ギララは宇宙から来た謎の生命体として登場しました。
 この頃の映画会社は大手五社。東宝、東映、大映、松竹、日活・・・・。
 松竹という映画会社のカラーはおよそ、怪獣映画にはそぐわない。大人にはそう思えたかもしれません。松竹は娯楽物よりも文芸作なんかをカッチリと作るタイプ。例え喜劇を作っても、そのカッチリさが何となく、おおらかかつ、上品で真面目に映る。むしろアクション映画でB級アクション映画を得意とした日活の方が怪獣映画には似合っていたかもしれません。
 そんな大船調の伝統を受け継いできた松竹が怪獣映画を作るというのですから、世間も驚いたことに違いありません。昭和40年代には入るまで、怪獣たちを支配していたのは「ゴジラ」を始めとする東宝であり、東宝は華やかでシャープな娯楽映画作りを得意としていましたので、怪獣映画もおのずとその路線に乗っかって行く。土臭い暗く沈んだ作風の映画が多い大映はその作風を逆手にとって、明るいイメージの東宝に反するが如き、生物としての怪獣を映画を描いて人々に受け入れられました。
 はたしてギララは!
 子供の視点からはギララは何となく東宝とも大映ともつかない、あまり面白くない怪獣映画と受け止められていたように思います。
 しかし、松竹は「昆虫大戦争」「吸血鬼ゴケミドロ」といった異色のSF映画2本を製作しています。この2作は、東宝のSF特撮映画になかった終末思想的なペシミスティックな視点を持った秀作でした。むしろ、松竹はこの路線で進んだ方が正解だったかもしれません。
 斬新なデザインなのに、残念ですがギララはガッパとともに怪獣映画ブームの渦中に飛び込むのにはちょっと遅すぎたように思われます。
 この年、韓国にも同様の怪獣単独出演映画がありました。日韓合同製作だった「大怪獣ヨンガリ」です。ヨンガリは土着の地球怪獣ですが、宇宙探検まで盛りこんだ野心作で、ちょうどギララと似た作風の映画でした。

●宇宙大怪獣ギララのソフビ

 ギララの商品化は意外と少なく、ミドリのプラモデルとマルサンのソフビくらいでした。
 マルサンのギララはスタンダードサイズでしたが、絶妙なデフォルメとたいへんボリュームのあり、今では人気の品となっています。
 当時はあまりこれを持っていた子は見かけたことはありませんでした。日東のガメラ怪獣や東宝のゴジラ怪獣は誰もが持っていた印象がありましたが、やはりギララ、ガッパは怪獣としては少々、マイナーな存在だったのかもしれません。
 むしろ、アストロボートのほうが、人気があったように思います。





●マルサンのスタンダードギララ復刻版●
オリジナルに極めて忠実な成形色と彩色です。



●マルサンギララ蓄光イリサワ限定版●
宇宙怪獣には蓄光がよく似合います。

●マルサン・スタンダードギララ・ビデオディスプレイモデル●
 
松竹ビデオとマルサンのコラボで発売されたビデオソフトと、ソフビのセット販売のギララ。
 通称、ビデオギララと呼ばれている製品




ディスプレイした状態、本当はアストロボートが付きますが、付け忘れましたハイ・・・



●マルサンギララ・ブルーバージョン●
ゴジラブルーにも似た濃紺成形色のギララ
2004年にマルサンから突如、発売されました。



●マルサン・びっくりギララ(復刻版)●
風船ギララの別名を持つ、風船膨らましのギミックがついていた
人気の風船シリーズのギララ版。スタンダードと同じ雰囲気が嬉しいです。